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2007年11月22日

●クレーム その1

クレームって、凹みますよね。

でも、小売業をやる以上、残念ながら絶対に起きる問題です。

問題は、その対処ですね。

対処には大きく別けて(当たり前ですが)目の前のクレームに
対処するための「リアクション」と発生原因を追究し、なんらかの
予防策を講じる「アクション」があります。

今日は、リアクションについてちょっとお話しようかと思います。

クレームといっても多種ありますが、まず原因が自社の過失に
よるものなのか、クレーマーのように社会通念上不適当な要求
なのかを冷静に判断することから始めます。

自社に過失が無い場合は、丁寧ながらも毅然とした態度を
取ればよいわけですが、問題は自社に過失があった場合です。

クレーム処理について、私が考える「3段階の原則」というものが
あります。

クレームを言ってきてくれたユーザーは、頭の中で無意識のうちに
店舗の対応を予想しているものです。

■一段階

ここまでやってくれれば文句は無い、という地点。
いわば100%の回答。
もちろんユーザーがクチで言っていることと、この地点は
ずれることがあります。
感情的になっていらっしゃる場合は、もっと過激なことをおっしゃる
こともあります。
しかし、ユーザーも怒ってはいらっしゃいますが、もののわからない
動物ではありません。
人間にはミスもあることは、理解されています。
従って意識しているにせよしていないにせよ、この100%の地点は
必ず存在します。

■二段階

次に、ユーザーも不安だということを思いだしてください。
ユーザーはどんな対処をされるのか、不安な気持ちと怒りが交錯した
状態で連絡をしてくるわけです。
その中で、上記の100%以外に「この辺なら、まぁ仕方ねぇか」という
妥協点を無意識のうちに用意しています。
この80%の地点がユーザーが飲める最低ラインの条件です。


普通はここで、なんとか80%で収めて当面の出血を止めようとか、
100%を目指して納得してもらおう、と考えます。

間違いではありません。
しかし、クレームというものを別の側面から見ると、第三の選択肢が
見えてきます。

次回の「アクション」についてで、詳しく触れようと思いますが、
店舗にとって一番怖いのは、クレームを言ってきた人、そのものでは
ありません。

大多数の泣き寝入り組。
「もうこの店では二度と買うもんか!」と思い
クレームもいわずに、二度と訪れてくれないユーザー。

【サイレントコンプレーナー】

が一番怖いのです。

この人達にはお店はなんのアクションも起こせません。
名誉挽回のチャンスが無いのです。
そして、「一人のクレーマの後ろには九人のサイレントコンプレーナー
が居る」と言われています。

クレームを言ってくる人は、もちろん単純にアタマに来ている、
ということもあるでしょうが、あなたのお店が好きだから。
また使いたかったのに裏切られた、という思いがある方が多いのです。

つまり、クレームは「ファン獲得のチャンス」と考えることが
できます。

■三段階

ここで登場するのが三段階目です。
ユーザーが全く予想していなかった回答をする。
つまり120%の地点を返す。
前のふたつと違い、クレームをキッカケにリピーターを獲得しよう
というポジティブな対処です。
これは、思わぬ効果を生むことが多々あります。


いくつか、私の実際に経験した例をあげてみます。

1、売価3000円台の商品を送付しましたが、色を間違えて送って
 しまいました。
 当然ユーザーからクレーム。
 ここで、「普通なら」丁重にお詫びし代替品を送り、取替えを
 しますね。
 しかし・・
 ここで、当然代替品を送ると共に「失礼とは存じますが、お手元の
 お品物はよろしければお使いください」といって誤って送った
 色違いも回収しません。
 
 ユーザーは「え?良いの?」という反応。
 あまりやっているお店もないでしょうし、ユーザーの想定外の
 回答でしょう。

 しかし、考えてみてください。
 売価3000円台なら原価はいくらでしょう?

 こちらの手違いですから、回収の送料も当然こちらもち。
 回収しなかった場合の損失は、実質「原価ー回収用送料」だけです。
 代替品送付送料はどのみちかかるのですから。

 その金額でこのクレームしてくださったユーザーがリピーターに
 なってくれれば、何十倍にもなって帰ってきます。

 広告などで、ひとりのユーザーを固定客にするのにいくら使って
 ますか?
 とてもとても、「原価ー回収用送料」では納まりません。
 もちろん高額品はそうはいきませんが。
 つまり、広告などよりよほど効率の良いリピーター獲得戦術に
 なります。
 

2、1万円台の商品が欠品。ユーザーに連絡した入荷予定よりも
 なんと1ヶ月以上遅れてしまいました。
 ユーザーには都度連絡を入れていましたが、他社で扱いの無い
 商品でしたので、ユーザーは欲しければ待つしかありません。

 まぁ、他社に無いので丁重なお詫びで済んだかもしれませんが、
 これも、常識的に考えてありえない遅延、という判断から
 入荷後、無料にて進呈しました。

 そのユーザーはその後3ヶ月の間に、5万円以上の買い物をして
 くれました。

3、売価1万円台の商品で粗利益は25%程度の商品。
 宅配便のシステムの関係で「電話番号が変わらない転居」を
 ユーザーがされていたのに気が付かず(リピーターさんでした)
 以前の住所に送付。日付指定がありました。
 夜8時頃「届かない。明日使うのでどうしても今日欲しかったんっだ」
 とクレーム。

 荷物を追跡すると、以前のご住所の管轄営業所でストップ。
 新幹線でも3時間かかる遠方でこちらも動けません。

 そこで、管轄営業所の側の「赤帽」さんをチャーターして
 管轄営業所から、ユーザーの自宅まで配送。
 夜9時過ぎに無事到着しましたが、送料は3万弱。大赤字です。

 しかし、このユーザーはその約1年後、某掲示板でのトピックで
 このエピソードを記載してくれ、「こういう店だから安心だと
 思う」と書いてくれました。
 その掲示板からのその後のユーザー数、売上は赤字分の100倍
 近い数字になりました。


クレームというとどうしてもネガティブに考えがちですし
すべて上記のようになるとは限りません。
しかし、少なくともユーザーと直接連絡が取れるという
圧倒的に幸運な状態にある、という発想をしてみてください。
結局、ユーザーにもお店にも、双方にハッピーな解決があることが
あります。

繰り返しますが、「サイレントコンプレーナー」はお手上げなんです。
そして貴重な誘致、転換コストをドブに捨てていることになるのです。

新規顧客を取るのにばかり目が行き、コストをかける一方、
既存顧客をこぼしていたら、なんの意味もありませんからね

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